利根川散歩邸アーカイブス 05.03.01-05.03.15
05.03.01 定の怨念
愛のコリーダ
 
中学のころ、愛のコリーダを始めて観たとき、
なんて猥雑でくだらない映画なんだろうと思った。
ことあるごとに画面の上下が分断され、
真ん中には横線が入るというそれはもう斬新で下品な編集が随所で見られ、
さらにはそのほとんどが極端なまでのぼかしによって画面が覆われるという
それは観るに耐えない代物だった。
そんなものを観れば誰もがわたしのような感想を持ったに違いない。
この国はそんな作品を20年以上もの間公式なものとして扱ってきた。
 
2000年に公開された愛のコリーダを観にいったとき、
わたしはそれが大きな誤解と偏見であったことを思い知る。
まだまだ完全に無修正な作品としてよみがえったわけではなかったが、
今までぼかしで覆われていて見えなかった部分が見えたとき、
初めてわかったことがある。
それは愛のコリーダがただの猥雑なポルノ映画ではなく、
美しさと死の影に彩られた見事な芸術作品であったということだ。
猥雑なものを避けるために監督の意図に逆らってまで
無理な編集やぼかしを入れたことが
逆に作品を猥雑なポルノに貶めていたとはなんとも皮肉なものである。
 
監督大島渚が作った真の愛のコリーダが日の目を見るのはいつのことだろうか?
05.03.02 進化しすぎた脳
脳や身体は一番自分に身近なものなのに、
実はまだまだわかってない部分が多く、謎に満ちている。
一見難しくて近寄りがたい分野だが、
そっと覗いてみるとなかなか美しく、刺激的な世界に触れることができる。
 
進化しすぎた脳 中高生と語る「大脳生理学」の最前線 進化しすぎた脳

海馬 海馬

共に池谷裕二著。
05.03.03 ひなまつりに思うこと
ひなまつり

わたしが日本に生まれてよかったなあと思うのは
落語や茶道(抹茶や和菓子)、それに石川さゆりの歌などに触れたときだ。
今本当に残し、発展させなければならないのは
そういう日本固有の文化であるべきだと思う。

ねえ、道真さん?
05.03.04 雪見抹茶
網戸越しの冬

午前中、雪景色を見ながらお抹茶をいただく。
生活と季節に密着したおちゃ活動を展開中(鼻水)
2005.03.05 少年ラジオ
大竹まことの少年ラジオに
シティボーイズの面々が集まる。
やっぱり面白いな。
番組終了後GWのシティボーイズミックスのチケットを苦労して入手。
ネットで入手できる現在、昔のように寒風吹きすさぶ中、
朝から並んでチケットを入手していたころに比べればいくらか楽になったとはいえ、
それでも「サーバが込み合ってます」という
メッセージを見るとそのたびにストレスがたまる。
もうちょっとなんとかならないかなあ。
05.03.06 さくら咲き始める。
横峯さくらのサイトを発見。
まさかブログまでできていたとは。
一番最初の記事が親父さんの一言というのが実に笑える。
さすが横峯!

横峯さくらの公式サイト

横峯さくらのブログ
2005.03.07 メイコウ法師が語る
女は現在(いま)に生き、
男は過去(むかし)に理想を求めています。

訳:利根川散歩
05.03.08 影
このままいくと、
近い将来、携帯電話を手放すときがくるということもありうるかもしれない。
最近の携帯電話は完全に方向を見失ってると思う。
どうでもいい機能満載で、使いづらいったらありゃしない。
電話とメールがほどよく使えればそれで十分だと思うのだが、
こんなわたしみたいなユーザーは少数派なんだろうか?

おサイフケータイに潜む、知られざる“影”とは
05.03.09 アラーキー
アラキメンタリを鑑賞する。

荒木経惟という人は落語に通ずるものがあると思う。
立川談志の言うところの「業の肯定」というやつだ。
つまりは「良いところも悪いところも全部ひっくるめて、それでよし!」
と言えてしまえるような優しさを感じるのだ。

陽子

「荒木経惟写真全集3 陽子」
 本当の愛とはこれなんではないかと、激しく憧れる。
 永遠の名写真集。
 思えばわたしの恋愛感というか理想や価値観は
 出会ってから未だにこの本に縛られているような気がする。
 それだけわたしにとっては影響力のある本。
05.03.10 ジュネ
ロング・エンゲージメント

ジャン=ピエール・ジュネ監督の久しぶりの新作、
「ロング・エンゲージメント」がそろそろ公開になるらしい。

わたしは彼の作品は前作「アメリ」よりも「ロスト・チルドレン」のほうが好きだ。
初めて観たのは確か高校のころだから、思えば随分長い付き合いになる。
あの圧倒的な世界観と映像センスにはまったく度肝を抜かれたものだ。
彼の作品はその強力な映像だけに頼るのではなく、
それに見合ったストーリーや細かなところでのユーモアが実に効いていて、
観ていて嫌味にならないところが好きだ。
それと、下手したら放送コードすれすれな感じの役者達の活躍ぶりもまた楽しい。
はたして今回はどのような作品に仕上がっているのか。
楽しみだ。

ロスト・チルドレンロスト・チルドレン

アメリアメリ
05.03.11 家まで歩いてく。
珍しいキノコ舞踊団

珍しいキノコ舞踊団の最新作公演「家まで歩いてく。」を鑑賞する。

今までいろいろなところでキノコの公演を観てきたが、
どこに行っても、そこがどのような場所であっても決してキノコらしさは失われず、
始まって10分もたたないうちにすぐにキノコの空気にしてしまうところは
相変わらずで、それがいつもうれしいし、安心する。
今回もまた、シリアスであったりユーモラスであったり、
激しかったりゆるゆるだったりと、なんでもありのキノコ節は健在で、
わたしたち観客のお腹をしっかり満たしてくれた。
決して期待を裏切ることなく、確実なまでにわたしを楽しませてくれる。
そんな珍しいキノコ舞踊団がわたしは大好きだ。

追伸:キノコつながりということで、まるまるジョン・ケージの作品を踊る。
   そんな公演をやってくれないものだろうか?
   とそんなことを開演前に思った。
   お互いの世界観には相通ずるものがあるんではないかと思うのだ。
   ソナタとインターリュードなんてやってくれたらさぞかし面白いだろうな。
05.03.12 プチ
最近、プチ親孝行に努めている。
これまで親にはさんざん世話になったし、迷惑をかけてきたのだが、
それに対して今まで何も恩を返すということがなかった。
しかし、これから先あとどれくらい一緒に暮らせるかもわからないので、
自分なりに少しずつでも恩返しをしなければならないと思い始めたのだ。
親孝行と言ってもさほどたいしたこともできないので、
今はたまにおちゃを点ててあげるくらいのことしかしていない。
というわけでプチ親孝行なのだが、
いずれはもっとしっかりとした親孝行をしなければと思っている。

できるだろうか?
05.03.13 瀕死
何年かぶりにプールで泳いできた。
かなりのブランクと年老いたせいか、
泳ぎ始めて30分もしないうちに酸欠で死にかける。
10年くらい前は大会に出るほどの実力があったし、
いくら泳いでもへっちゃらだったのだが、
そうもいかないことになっていると改めて思い知らされる。
スポーツでは唯一の得意分野だっただけに
この事態にすっかり打ちのめされた気分になる。

でも、生きててよかった。
05.03.14 口にしたい言葉。
すると彼女は
「のっぴきならない事情があるから」と言って断っていたが、
わたしはそんな事情なんて本当はなかったのではないかと考える。
彼女は、ただ「のっぴきならない」と言いたかっただけではなかったのか。
おそらくはそんなところだろう。
05.03.15 へろへろバタフライ。
性懲りもなく、また泳ぎに行ってきた。
またもや開始30分ほどで酸欠になりかけたが、
うまくウォーキングコースに方向転換して難を逃れる。
昼の2時過ぎから泳ぎ始めたのだが、
周りは盛りを過ぎたおじさんやおばさんばかりで、
思わず具合が悪くなりそうになる。
なんてわたしは虚弱体質なんだろうか。
わたしが通う市民プールは、1時間ごとにあるテーマに沿って、
あるいは同一アーティストによる楽曲がBGMとして流されているのだが、
本日わたしがいる間での最後の1時間は
なんと「ディズニーランド特集」!!!!!
わたしが子供のころから聴いて慣れ親しんでいたアルバムが使用されていて、
へろへろながらもご機嫌なフィニッシュを飾ることができた。

というわけで、
本日はなんとか死なずに3時間(!!!)みっちり水中運動してきましたとさ。
ああ、身体が重い。。。
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