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告白 01/08/19 唇の冷たさに あなたの死を想う その腕の確かさに あなたの生を想う 生きていても たとえそうでなくとも 私は変わらずあなたを想う たとえ 青空に呑み込まれようとも 私はあなたを想う 静かに そしてやすらかに この愛よ あなたにとどけ 私はかぎりなく あの虹に想いを告げる |
夏祭り 01/08/21 夏祭り 歩き疲れて立ち止まる 向こうに見える浴衣の君は 僕の姿に気づかない 袋に泳ぐ金魚たち 力無くただよう雷雲 虚しく響く祭り太鼓 思い出のない笑い顔 溢れ出したラムネジュース へたれこんだもう一人の僕 夏の声が 少しずつ遠ざかる |
くすんだ夕べ 01/08/21 こぼれおちるは はがれおちたる かべのゆめ しずかにもゆる ひとえまぶたの しにげしょう |
こどもたちのうた 01/08/21 こどもたちのうたを こどもたちがうたう やさしさにつつまれ しずかに きこえない とどかない ふわふわの あのこえ こどもたちのうたを こどもたちがうたう やさしさにつつまれ どこかに |
ティッシュ 01/08/21 真っ白に広げたティッシュの上に 大切なものを並べる すぐにティッシュはいっぱいになり 大切なものは溢れ出す ひとつひとつ整理していくと 最後に残ったのは 君の小さな薬指だった |
フィルム 01/08/21 張り裂けたスクリーンの向こうに見えたものは 音もなく ひたすら回り続ける 僕の回想録 おさげの君が声もなく笑う 君の静かなぴあのが見える 動かないその横顔に 僕はどれだけ近づけるだろう 脈打つ血管に 僕は触れようと そっと試みる 僕の指はすっと君の姿を透り抜ける 本当の君は今どこにいるの 僕は記憶の中の君に問いかける 君の声は聞こえない |
音楽 01/08/21 手のひらに ちょこんと乗った 君の指 ぼくの音楽 分けたげる |
最上川 01/08/21 白樺の 夢にもたれて 最上川 |
罠 01/08/21 音もなく みなもにゆれる くすりゆび かけらを燃やす かげろうの罠 |
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