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無力 00/08/01 無力なぼくを笑わないで。 |
歌えない男 00/08/08 雨が降る。 風が吹く。 僕は歌を歌えない。 |
種 00/08/08 まいた種が、 知らないうちに成長して、 壁となって僕を隔離する。 この壁を壊す為に、 僕はまた種をまかなくてはならない。 |
虫を殺した 00/08/08 僕は虫を殺した。 羽をむしって 身体をバラバラにして殺した。 それも、昔の話だ。 いま、僕は、 手に触れることのないところで たくさんの生物を殺している。 |
日曜日と月曜日 00/08/08 日曜日の夕方は、あのこがいなくて寂しくて。 月曜日の朝は、あのこがいるけど、眠たくて。 |
風船玉 00/08/08 病みあがりの空を いま 見上げれば 静かに聴こえてくる あのひとの歌 止まった風船玉に なにをおしゃべりしているの |
詩 00/08/08 恥ずかしくって言えない。 誰にも言っちゃあいけない。 だけど、誰かに読んで欲しい。 |
かちわり氷 00/08/13 あのこの頭はかちわり氷、僕はといえば、しおからとんぼ。 |
ひまわりの脂肪 00/08/13 いつまでも、いつまでもまとわりついてくる。 あなたたち、わたしは太陽ではありません。 |
コップの底 00/08/13 絶対に見てはいけません。 恥ずかしい、見ないで。お願い、見ないで。 目線は高めに。遠くを見つめて。 絶対に見てはいけません。 |
やわらかい壷 00/08/14 聞こえますか? 応答願います。 触ってもいいですか? 気持ちいいですか? ………………。 もう少し、左に寄ってくれますか? |
夜の音 00/08/14 虫。遠くを走る車。電気。椅子。 鉛筆。隣の部屋の扇風機。本。扉。 息。幻聴。壁。ティッシュ。布団。夢。 |
聖なる家族 00/08/18 腐乱したあのこに会う為に。 腐乱したあの人に会う為に。 腐乱したあの方に会う為に。 わたしたちはいつまでも掘り続ける。 わたしたちはいつまでも掘り続ける。 |
ダンスはうまく踊れない 00/08/18 ふやけた身体をくねらせながら あなたは今夜も美しく 月の光にうつむきながら それでも私は楽しいの |
侵略者 00/08/26 目玉キョロキョロ 口パクパク 鼻はピクピク 僕キューちゃん |
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