甘栗は不埒な朝の代弁者
空腹を満たして逃げる北千住
落語家の向うずねにも薔薇が咲く
腹八分三分五厘で四分音符
宝船涙に咽ぶあばら骨
まな板の蛙飛び込む法隆寺
ソビエトがよせばいいのに親孝行
満洲の見合いの相手は北千住
禁煙を恨んで泣いた彼岸花
マリンバを招いた末の乱打戦
軒下で狐を待ってるミルクティ
かりそめのカリスマ見ているかくれんぼ
横綱もルーブル駅でおにごっこ
大関は看護婦見たさに詰め将棋
腹へったザビエル笑うこどもの日
柿食えば亀が鳴くなりもう十時
五月雨に打たれて泣いたコビトカバ
八月の狐の嫁入り腹八分
九月から拍手喝采警備員
三歳児アイスクリームを寄り倒し
焼き鳥にすがって泣いた織田無道
落語家のミラーボールに竿生える
偶然と言い張る君の油揚げ
玉子焼き弾けて飛んだクリスマス
アンコール呼ばれた末の親子丼